2002/09/03

ぼくのなつやすみ2

「当面はエンジンを載せるのが目標なんだ!」編

 

 

2002年盆休み

1年間の沈黙を破り、いよいよ再始動!

 

1年前の惨敗は、道具の決定的不足により

マフラーすら外せないという、屈辱的なものでした。

 

そんな中用意しました、インチ工具。

5/16  3/8 7/16 1/2 9/16 5/8 11/16

ソケットのみです。

これだけのインチ工具と、モンキーレンチでがんばります。

 

 

 

とりあえず、1年前の雪辱から晴らしてみました・・・

つもりですが、さすが年代物のマフラー。

錆びつきまくって、固着してます。

そのため、一体のマフラーをグラインダーで切って3分割。

ほぼネジを外さずに取り出しました。

エキマニはもっと悲惨。

そのためアセチレンで炙ってみたりしてもどうしても1本だめで、

酸素で溶かして取りました。

 

エンジンを下ろす手順ですが、構造上ATをまず降ろします。

プロペラシャフトを外しますが、ここで問題発生。

 

ペラシャとデフを繋ぐボルトです。

1年前の観察でこのボルトはわかっていたので、

インチ工具は12角でそろえましたが

そのどれも合いません。

そうなると特殊サイズのボルトになります。

再使用はあきらめ、要らないソケットを溶接して外そうと思い、

いらない12ミリの12角ソケットを当ててみると、なんとピッタリ。

ここではじめて、アメ車にもミリネジが使われていることがわかりました。

よくよく探してみると、1/3ほどがミリネジでした。

しかも13ミリとか15ミリとか、訳のわからんサイズを

多用しています。

 

なあ、それさえわかれば普通の車のエンジン降ろしと

なにも違いはありません。

さっさとペラシャ ATを降ろします。

ちなみに、作業はほぼ1人。

いくらリフトがあるとはいえ、ひとりで巨大なATを降ろすのは

非常に危険なので、暇な弟を連れてきて手伝わせました。

 

エンジンもちゃッちゃと取ります。

配線も再使用しないつもりなので、バリバリ取ります。

コネクタは完全に死んでいて、無傷で取ることが

不可能なぐらい痛んでいます。

 

以外にあっけなく、エンジンひきぬきに成功。

ラジエターとコンデンサー、恐ろしい量のバキューム配管も

全部一緒に外しました。

 

お約束の写真。

モデルは手伝ったから仕方なく写してやった弟です。

 

エンジンです。

長い間、ご苦労さん。

(誰かもらってください。邪魔です。)

 

外したスターターモーター。

今の車のエアコンコンプレッサーぐらいあります。

こんなに大きいくせに、なんですぐに壊れるんでしょう?

 

 

さらに大きいエアコンコンプレッサー。

原付のエンジン並です。

スターターにもましてエアコンは壊れるんだけど、

ほんとになんでだろうねぇ。

 

アメ車のペラシャです。

根元で上下に転がっているのがマーク2のペラシャ。

マーク2が2分割、ジョイントを4ヶ所使っているのに

1.5倍ほど長いアメ車は一本物です。

さすがアメリカ、曲がったことは大嫌いです。

 

エンジンのマウントがエンジンメンバーに残っていたんですが、

そいつを外すには、ロアアームを外すしかなく

しかし、レンチがないので外しようがなく、

酸素で切っちゃいました。

ガソリンパイプがそばを通っていたため、

消火器やらバケツやらをいっぱい用意して、

ひやひやしながらの作業でした。

 


 

さて、エンジンが降りましたのでホット一安心

次は内装に入ります。

 

インパネをはずしたところです。

もう気持悪くなるぐらいの、配線の束です。

量は国産車に比べると多くないんですが、ぐちゃぐちゃしているため

インパクトはかなりでかいです。

 

ハンドルポスト付近

配線関係は左側に集中しています。

コンピューターはエンジンルームにあるのに、

これだけのたうちまわってるので、もう一度組みたてることは

無理な気がします。

 

右側は空調関係。

このエアコンは後付けらしく、なんとエパボレーターが

エンジンルームにありました。

そのくせ、何もかもが無駄にでかいです。

国産万歳!!

 

いま、一番の問題がこのメーター。

マークIIのメーターとどう付け替えようか迷っています。

 

内装関係で一番苦労したのが、このネジ。

+ネジはサイズ違いでもなんとか回りますが、

このサイズのソケットは持っていなくて、ぜんぶモンキーです。

写真のような場所だと、モンキーすら入らなく

実質分解不可能となります。

 

もう1個苦労したのが、バキュームラインです。

国産車ではほぼ使われないバキュームですが、

外車はいまもバキュームが使われていて、

ロックやエアコンの切り替えを動かしています。

そんなの弄ったことなかったので、写真のやつがバキュームの

コネクタだとは気づかず、ばらすのに苦労しました。

 

それでも、なんとか内装を取っ払うことに成功。

エンジンとは違い、内装は再使用する部品が多いので

エンジンと同じぐらい時間がかかりました。

 

これが外した配線全部です。

こうやって見ると少ないんだよねぇ。

 

でも、マークIIの配線は

アメ車のトランクをいっぱいにするぐらい多いんだよねぇ。

いつかは、これを全部繋がなくちゃいけないんだよねぇ

見ててもため息ばかりなので、次にいきましょう。

 


 

「昼間のパパは男だぜ」

 

抜けるような青空にぴったりな光景ですね。

うだるような暑さの中、1年ぶりに目覚めた1JZ−GEです。

 

入念なマスキング?を施し、とりあえずエンジンを入れてみます。

ちなみに、フロントガラスを割ったら即廃車です。

どこに注文をすればいいのかもわかりません。

 

本来なら、計算してとりあえずのマウントを作ってみるのが

普通でしょうが、めんどくさいので入れてみます。

ATを外すのもめんどくさいので、そのまま入れます。

とにかく入れてみます。

 

エンジンを十分な高さまで上げてみて、90度動かし

ATを下にします。

そのまま、滑りこますようにエンジンルームに入れていきます。

この神業を2人だけでこなしていきます。

 

 

ジャン!

とりあえず、入れてみました。

簡単に言っていますが、3時間ほどかかりました。

(入れるだけで)

何とか入りましたが、降ろすことができそうにありません。

そんな気力をためるには、来年の盆休みまで必要なぐらいです。

 

 

エンジンルームでエンジンを動かし、ちょうどいい感じにもっていきます。

簡単に位置を出したように見えますが、またもや3時間かかってます。

1人は本当につらいです。

(弟はもう帰った)

切ない苦労をしたおかげで、

なかなかいい感じに載って(いるように見え)ます。

 

さて、ここからが今回のエンジンスワップで

1番のハイライトになるであろう、マウントの製作です。

アメ車のエンジンマウントは2つ

1JZのエンジンマウントも2つ

そのまま使えそうですが、アメ車のエンジンマウントを使おうとすると

エンジンが半分以上ボンネットから飛び出ます。

それはそれでかっこいい気もしますが、ペラシャが頭の横に通っているのも

考え物なので却下です。

 

1年前の下見で、メンバーをつけることができないことはわかっていたので

マークIIメンバーからエンジンマウント部分を切り出します。

フレームを切るのはつらかった・・・

くそ暑い日に長時間、酸素(溶接と切断するバーナー)で

作業をしているとさすがにめまいがしてきます。

 

これをこのままアメ車のエンジンルームに取りつけることができれば

面倒な位置決めをせず、手軽に取付ができます。

・・・なんて甘い考えが通用するはずもなく、

まったくスペースがありません。

エンジンの構造的な違いは非常にでかかったです。

 

マウントのステーを溶接するスペースもありません。

酸素で切った時間は全て無駄になってしまったとさ。

 

こうなったら、最後の手段。

エンジンにマウントをつけておき、ちょうどいい位置にあわせて

ステーをそれにあわせて溶接していきます。

 

 

非常に見にくいですが、フレームに仮に溶接したステーです。

すぐ近くにパワステがあり、非常に厳しい位置ですが

エンジンの位置を考えると、ここしかありません。

左右とも、どんなにステーを追加しても強度不足丸見えです。

というか、エンジンを下ろす気がないので

溶接も難しい位置ですが、気合でがんばります。

 

そんなこんなで、精一杯強度を出したつもりの

エンジンマウントステー

(真ん中のナットがエンジンマウントを止めているナット)

メンバーがあるため、どこかにエンジンを落っことす心配はないですが

ちょっと怖いので、そのうち別の場所にマウントを増設しようと思います。

 

 

こんな感じでエンジンが載りました。

苦労した甲斐があり、違和感のない搭載です。

(怖いマウントを見なきゃ)

 

下から見たところです。

かなりギリギリのクリアランスで乗っています。

1JZのオイルパンがもうちょっと大きかったら

大幅な改造が必要なところでした。

 

オイルパンとステアリングリンクとの隙間は2〜3ミリしかないです。

まさに神業。

(本当はもうちょっと広かったんだけど、マウントがゴムなので縮んだから)

ATマウントに至っては、アメ車のマウントをそのまま使えそうなほど

近い位置に持ってくることができました。

さすが職人芸

(まったくの偶然)

 

 

ちょっと穴を大きくして、ゴムでマウントを製作。

こちらは簡単にできました。

 


 

これで車にエンジンを乗せることができました。

しかも、かなりいい感じで乗っています。

 

最後に最も製作が困難であろう、プロペラシャフトの製作です。

ただ作るならこんな簡単なものはないですが、

高速で回転するため、非常に強度とバランスを要求されます。

ちなみに製作を頼むとバランス取りまで含めて5万だっけ?

ずっと乗るなら、絶対プロに頼みます。

が、足車は値段が命なので

自分で何とかします。

 

 

さんざん製作方法を迷いましたが、

迷っていてもしかたがないので、とりあえず切ります。

アメ車のペラシャは2重構造です。

それに対してマークIIはただのパイプ。

アメ車の内側のパイプの内径よりも、外形が小さいくらい細いです。

 

両者を見比べてみて、ふと気づいたことが・・・

 

はまってしまうんです。

ただ刺しこんだだけです。

 

車体に仮付け。

非常にいい感じです。

 

 

外径 内径の差は、わずかに1.5ミリの差です。

非常に微妙です。

微妙な差で入らないなら、どちらかを削って入れればいいだけ。

差があるとなると、カラーを入れなくちゃいけません。

しかし、これだけ微妙な差となるとカラーも製作できません。

(非常に薄いパイプを作らないといけない)

しかししかし、これだけ微妙な差なら

そのまま溶接しちゃってもいけないこともありません

 

刺し込み方式により、強度面で有利とはいえ

1.5ミリの隙間があるパイプを適当に溶接してては

まっすぐにはなりません。

そのため、チェーンブロックでつるします。

 

溶接棒(0.6ミリ)を隙間に刺し込み

真ん中を出します。

本当にこんなんでまっすぐになるのか不安ですが、

他の方法は非常に手間がかかるので、このままがんばります。

 

この状態でMIG溶接で仮付けをします。

その後、ウチにある溶接機の中で一番強力であろう

200Vアーク溶接機で溶接します。

(酸素溶接は熱がかかるので却下)

それでも強度不足が心配されますので・・・

 

廃油を燃やして火を作り、その熱で余熱をしっかりしておきます。

昔の職人はペラシャ溶接時に畳を燃やして

その中で溶接をした・・・という古事にならって

まねさせてもらいました。

 

アメ車のペラシャは鋳物のような、溶接のしにくそうな

材質でしたが、余熱をしっかりしておくことで

びっくりするほど溶接が楽で、溶け込みも深いです。

溶接棒を5本ぐらい使い、もうお腹いっぱいってぐらい

しっかり溶接をした後、グラインダーでよけいな部分を削ります。

 

溶接部分のUP

もしこの部分が折れても、刺しこんでいる部分があるため

空回りするだけですむでしょう。

これだけ長いペラシャが折れて振りまわされる所を想像すると

そう願わずにはいられません。

 

 

これで、エンジンさえかかれば走れる状態になりました。

が、ここまでの時点で盆休み終了。

夏休みが終わっても宿題が出せない小学生のように、

今後は細々と作業を続けます。

 

 

つづく

 

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